ソニー完全復活?ロボット事業へ再参入。

【この記事はIT系ライター M氏 が書きました】

ソニーは11月1日、家庭の中で人とつながり、生活のパートナーとなる
犬型の自律型エンタテインメントロボット「aibo(アイボ:ERS-1000)」を発表しました。
2018年1月11日に発売し、価格は198,000円。

販売はソニーストア限定となり事前に予約受付を行うことになります。
かつて販売していた旧AIBOから12年のぶりの復活になります。

12年ぶりの復活により全てが新しく。

新しく発表されたaiboは30cm程度の子犬型デザインで、重さは2.2kg。オーナーからの呼びかけや姿、タッチに反応するだけでなく、からだ全体を使ったボディランゲージで積極的に人に働きかけ、クラウドとも連携して学習、記憶を繰り返し行動が変化します。

可愛らしい見た目に反してaiboには最新の技術が多数盛り込まれています。
aiboの頭脳ともいえるプロセッサーにはQualcomm Snapdragon 820(APQ8096)を採用し省電力・高性能を実現しています。

幅広い可動域がポイントで全身の自由度は合計22(頭×3、口×1、首×1、腰×1、各足3×4、耳×2、しっぽ×2)。
自社開発のアクチュエーターにより小型と柔軟な稼働を図っています。
これにより腰を振ったり、首をかしげたりして、より豊かで自然な表現が可能になっています。

  目の瞳は有機ELになっており、これにより目の開閉やまばたき、視線を合わせるといった動きが可能になり感情表現が豊かになっています。

全身に多数のセンサーが搭載されています。前方に搭載された画像認識用カメラをはじめ、人感センサー、ジャイロセンサー、加速度センサーなどをからだの各所に配置。
しっぽの付け根付近には、周囲の人や物体の状態を感知する魚眼カメラにより、ロボット掃除機と同様に部屋内の地図作成までも行ないます。
犬型ロボットらしく接地を認識するスイッチは肉球型になっているというこだわりっぷりです。

これらのセンサーによりaiboは人の顔を認識出来るようになり、撫でられるなど優しく接する人間を記憶し、家具の配置を認識して障害物を避けながら自分から歩いて近づくこともできるようになります。

  aiboとの生活をより快適に楽しく過ごして頂くための専用アプリケーションの「 My aibo 」が本体発売と同時にAndroid版、iOS版、Web版にて提供予定です。本体設定やオーナー情報へのアクセスなどのオーナーをサポートする機能の他に、
撮影した写真を閲覧できる「aiboフォト」、アプリケーション上のaiboとふれあえるaiboと「あそぶ」、aiboのモーションを追加できる「aiboストア」などの機能が予定されています。

「写真撮って」とaiboに頼めば楽しい思い出を撮影してクラウドに保存、といったことも可能です。

旧AIBOはメモリースティックに記憶された性格(行動パターン)を読み込ませていましたが
新aiboは自らの記憶とクラウドとの連携により進化し、人間に自然に寄り添うことの出来るパートナー的な存在になっていくというのがコンセプトです。

商品概要・仕様

※現時点での仕様となります。発売日までに変更になる可能性があります。

まるで現実のペット?aiboの利用にはかかる費用の詳細。

aibo本体は198,000円+税(以下、特に説明のない限り金額は税別)。
本体の他にはチャージスタンド・チャージマット、ACアダプター・電源コード、ピンクボール、メーカー保証30日も含まれています。
aiboの利用にはこれ以外にも費用がかかります。

aiboの成長のために。「 aiboベーシックプラン 」

aiboはインターネットに接続し、クラウドとアクセスして学習、記憶を繰り返して行動が変化していきます。
クラウドにaiboの記憶、いわば魂とも言えるものが蓄積されることになります。
故障・事故等で修理が不可能な場合にaiboを買い替えることになった場合にこの魂を引き継ぐことができるようになる予定だそうです。

クラウドとの通信のためスマートフォンの契約のように本体の購入とは別に月額の利用料金が必要になります。
スマートフォンの契約で使用する「SIMカード」もaiboに同梱されて出荷されます。
その契約&利用料が「aiboベーシックプラン」と呼ばれるもので3年間のサービス加入が必要になります。

SIMカード内蔵でaibo専用プランで通信するということは、Wi-Fi接続がない環境でもLTEで専用サーバーとの通信が可能ということです。
高齢者の家庭などをWi-Fi環境のない場合を想定するとSIMカードが購入時からセットアップされていて、通信できる状態で納品されることによりaiboの通信環境を気にしなくても良いことになります。ペットロボットらしい配慮と言えますね。

aiboベーシックプランは一括払いだと90,000円、月払いだと月々2,980円の36ヶ月払いとなります。一括払いのほうがトータルで17,280円お得になる計算です。
一括で支払うとしてトータルでの価格は、本体198,000円と90,000円で288,000円になります。

3年の間に中途解約した場合には、中途解約金(500円×契約残月数)と解約手続き手数料(9,800円)が発生する点は注意が必要です。

任意加入の延長保証。「aiboケアサポート」

もう一つの費用がaiboケアサポートです。
いわゆる延長メーカー補償で、利用期間中の修理・健康診断サービスを、ソニー規定料金の半額にて提供する任意加入のプランです。

 メーカー補償は30日間になりますので延長したい場合は3年か1年のプランに加入することになります。
aiboケアサポート3年は54,000円、1年は20,000円で、3年の場合6,000円お得になります。ケアサポートは購入後も加入すること可能ですが、その際は健康診断とソニーが指定する修理を事前に受ける必要があります。その場合はケアサポート適用価格にはなりませんので注意が必要です。

aiboの修理料金の目安ですが
・バッテリーの交換、ファームウェアアップデート等 20,000円以下
・外装の交換、部品交換を伴わない修理       20,000円前後
・駆動部(足交換など)、基板の交換等       25,000円~100,000円
※送料は別途かかります。

ケアサポートに加入している場合、これらが50%割引となります。

本体、aiboベーシックプラン、aiboケアサポート3年をすべて一括支払いした場合は総額は342,000円となります。
なかなかの金額になってしまいますが現実のペットも保険への加入や予防接種などなど色々な費用がかかることを考えればaiboもオーナーに覚悟が求められるという見方をすれば納得でしょうか。

いまこそ振り返りたい。エンタテインメント ロボットの元祖。初代AIBOとは。

初代AIBOが登場したのは1999年。発売当初はソニーWebサイト上での限定販売で定価25万円と高価にもかかわらず販売開始30分を待たずして日本国内向けの3,000台が完売し大きな話題になりました。

当時はロボットといえば産業用など便利な道具の延長線にあるものでした。
そんな中発売された初代AIBOは自立して動作し、感情や本能、学習機能、成長機能を持ち、喜びや悲しみなどを動作や目の光で表現するなど人とコミュニケーションをはかり、本物のペットのように人々に楽しみを与えるエンターテイメント性を持った革新的なものでした。
その後は様々なメーカーから同様のコンセプトの商品が発売されることになり、ペットロボットという新しい市場を形成するきっかけになったのです。

モデルチェンジを繰り返しながら累計15万台以上販売された旧AIBOですが2005年にソニーの経営不振に伴うリストラ策の一環としてロボット事業からの撤退が決定、その後生産終了となりました。

生産終了後も飼い主に愛されていたAIBO達。
本来ロボットであり死なないペットであったはずのAIBOですが2014年3月にソニーの修理サポートが終了となったことで事態は変わります。
故障したAIBOの修理が困難となり、実質的な寿命を迎えるAIBO達が出てきたのです。

  そんな中、2015年1月には千葉県いすみ市の光福寺にてAIBOの飼い主達により合同葬儀が行われて話題になりました。AIBOは単なるロボットではないのです。

メーカー公式のサポートは終了してしまいましたが、元ソニー社員の有志が中心となって非公式ながら現在も旧AIBOの修理は継続しています。また葬儀を行ったAIBO達がドナーとなることで新たに生まれ変わる場合もあるようです。

株式会社ア・ファン~匠工房~
修理を終えたAIBOの里親募集のページもあります。

早くも品薄傾向?新型aiboを手に入れるには?

12年ぶりの復活ということで大きな注目を集めているaiboですが初回の予約分は早々に完売してしまいました。不定期ですが予約販売は行われるようですので購入希望の方はaiboニュースメール登録をするのがおすすめです。

高まる新型aiboへの期待。

ソニーといえばウォークマンやトリニトロンテレビ、ミニディスクレコーダーなど革新的な製品を作ってきた企業です。
経営不振から立ち直り黒字化を達成し、かつて撤退したロボット事業への再参入にはソニー復活への強い意志を感じずにはいられません。

新aiboは単体として見れば、よりかわいく自然な動きができるようになったペットロボットですが実際は専用ストア、アプリケーションによる機能拡張性やクラウド連携によるAIの進化・蓄積など最新のIT業界のトレンドの集合体です。
サードパーティとの協業によりaiboはペットロボットの枠を超えた存在になる可能性を秘めています。

参考リンク

ソニー 商品紹介ページ
http://aibo.sony.jp/

株式会社ア・ファン~匠工房~
http://a-fun.biz/case.html